「健康のために、毎日2リットルは水を飲みましょう」
AIに質問すれば、0.5秒で返ってくる100点の正論です。
SNSのキラキラしたインフルエンサーも、さも当然のように発信していますよね。
でも、数多くの「体」と向き合ってきた現場のトレーナーとして、
私はあえて忖度なしで言いたい。
「その2リットル、今のあなたには『毒』かもしれませんよ?」
1. AIが計算できない「排出(OUT)」の盲点
AIは「2リットル飲みましょう」という**摂取(IN)の指示は出しますが、
あなたの体がどれだけ排出(OUT)**できるかは計算してくれません。
想像してみてください。
* エアコンの効いた部屋で一日中デスクワーク。
* 一滴の汗もかかない。

そんな人が、激しいスポーツをするアスリートと同じ量を流し込んだらどうなるか?
体の中は「ダムの放流が追いつかない洪水状態」になります。
細胞が水浸しになり、体が重だるくなるのは当たり前なんです。
蛇口をひねるアドバイスは誰でもできます。
でも、排水溝が詰まっていないか確認するのが、プロの仕事です。
2. 腎臓の数値は「体からの最終警告」
ここが一番伝えたい、命に関わる話です。
AIは「健康な人」を前提に話しますが、
現実はそうではありません。
* 健康診断で「腎機能」の数値が少し悪かった
* eGFRやクレアチニンの値が気になる
そんな人にとって、過剰な水分補給は「健康法」ではなく、
ただの**「臓器への虐待」**です。

「水を飲めば血がサラサラになる」という思い込みで、
故障しかけの洗濯機(腎臓)に大量の水をぶち込んでいませんか?
それは自ら不調を招いているのと同じです。
3. プロが教える「自分だけの適量」見極め術
数値という「外側のルール」に縛られるのは、もう終わりにしましょう。
今日から、あなたの**「内側のサイン」**に耳を澄ませてください。
① 尿の色をチェックする
* 無色透明: 飲み過ぎ。腎臓が無駄にフル稼働しています。
* 濃い茶色: 水分不足。
* 薄いレモンイエロー: これこそが、あなたの「適量」の証です。
② 「指輪」と「靴」の感覚
「夕方になると指輪がきつい」「靴下の跡が消えない」
それは水が体で渋滞しているサイン。
ノルマを達成することより、飲むのを休む勇気を持ってください。
③ 「喉が渇く」センサーを取り戻す
現代人は情報の読みすぎで、本能が錆びついています。
一口飲む前に、一秒だけ自分の喉に聞いてみてください。
「今、本当に水が欲しいって言ってる?」
まとめ:AIを使いこなし、自分を守る
AIは便利な「地図」になります。
でも、その地図を持って実際に歩くのは、あなた自身です。
道が崩れているかもしれない。
あなたの足が疲れているかもしれない。
現場の状況を無視して地図通りに突き進むのは、プロから見れば「暴走」でしかありません。
AIの言葉を「鵜呑み」にするのではなく、自分の体の声と「答え合わせ」をする。
そんな賢い選択ができるあなたでいてください。

【編集後記】
もしあなたの周りに、無理して2リットル飲んで「最近だるいんだよね…」と悩んでいる友人がいたら、この記事をそっと届けてあげてください。
それは努力不足ではなく、**「努力の方向が少しズレているだけ」**かもしれませんから。


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